上弦の壱として君臨する黒死牟(こくしぼう)は、『鬼滅の刃』最強クラスの鬼として多くの読者に衝撃を与えました。
元鬼狩りでありながら鬼となった彼の戦闘技術は、血鬼術と呼吸法を融合させた独特なもので、その威力は柱たちをも圧倒します。
黒死牟の月の呼吸は全11の型で構成され、それぞれが異なる特性と破壊力を持っています。
斬撃に付随する月型の刃や、透き通る世界などの特殊能力も含めて、彼の戦闘スタイルは他の鬼とは一線を画すものです。
この記事では、『鬼滅の刃』の黒死牟の月の呼吸について解説します。
黒死牟の月の呼吸とその特徴
黒死牟が操る月の呼吸は、鬼狩り時代の技術に血鬼術を組み合わせた独自の戦闘術です。
この技の最大の特徴は、放たれる斬撃すべてに月の形をした小さな刃が無数に付随することにあります。
元鬼狩りが編み出した血鬼術融合技
かつて鬼殺隊に属していた黒死牟は、人間時代に呼吸法を習得していました。
鬼化後もその技術は失われることなく、むしろ血鬼術との融合によってさらなる進化を遂げています。
本来であれば継国縁壱(つぎくによりいち)の日の呼吸を習得したいと願っていた黒死牟でしたが、それが叶わず派生技として月の呼吸を極めることになりました。
痣の発現も確認されており、鬼としての再生能力と相まって驚異的な戦闘力を発揮します。
不規則な月の刃による攻撃の仕組み
月の呼吸の技が放つ斬撃には、月の形状をした無数の小さな刃が不規則に配置されています。
この月の刃は本体の斬撃を避けたとしても、追加で襲いかかってくる厄介な仕組みです。
刃の配置が不規則であるため、敵は回避行動を取っても完全に避けきることは極めて困難になります。
悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)や不死川実弥(しなずがわさねみ)といった最高位の柱でさえ、この攻撃に苦戦を強いられました。
黒死牟の技を支える刀と能力
黒死牟の戦闘力を支えているのは、特殊な性質を持つ刀と鬼となって得た超人的な能力です。
これらの要素が組み合わさることで、柱複数人を相手にしても優勢に戦える実力を発揮しています。
再生機能を持つ特殊な刀の性質
黒死牟が使用する日本刀は、刀身全体に無数の目が付いているという異様な外見が特徴的です。
この刀は単なる武器ではなく、鬼の再生能力と同様の機能を備えています。
戦闘中に悲鳴嶼行冥によって刀身を折られた際も、瞬時に元の状態まで回復する様子が確認されました。
さらに戦況に応じて刀身を変化させることも可能で、三箇所から枝分かれした形状に変形させることで攻撃範囲を大幅に拡大できます。
透き通る世界と体から刃を出す力
人間時代には習得していなかった透き通る世界を、鬼となってから会得した黒死牟。
この能力により相手の攻撃動作を先読みすることができ、悲鳴嶼行冥と不死川実弥を防戦一方に追い込みました。
追い詰められた状況では、体中から無数の刀を出現させて斬撃を放つという奥の手も披露しています。
この攻撃により時透無一郎(ときとうむいちろう)と不死川玄弥(しなずがわげんや)の体を真っ二つにするという圧倒的な威力を見せつけました。
黒死牟の月の呼吸全型を一覧で解説
月の呼吸は壱ノ型から拾陸ノ型まで全11の技で構成されており、それぞれが独特の特性を持っています。
ここでは各型の詳細な技術内容と戦闘での使用状況について詳しく紹介していきます。
月の呼吸全型一覧表
型名、技名、特徴、使用相手について以下の表にまとめました。
| 型名 | 技名 | 特徴 | 使用相手 |
|---|---|---|---|
| 壱ノ型 | 闇月・宵の宮(やみづきよいのみや) | 抜刀による水平斬り | 時透無一郎 |
| 弐ノ型 | 珠華ノ弄月(しゅかのろうげつ) | 斜め上への三連撃 | 悲鳴嶼行冥 |
| 参ノ型 | 厭忌月・銷り(えんきづきつがり) | 水平二連撃 | 不死川実弥 |
| 伍ノ型 | 月魄災禍(げっぱくさいか) | 刀を振らない斬撃 | 不死川実弥 |
| 陸ノ型 | 常世孤月・無間(とこよこげつむけん) | 広範囲無数斬撃 | 不死川実弥 |
| 漆ノ型 | 厄鏡・月映え(やっきょうつきばえ) | 地を這う広範囲斬撃 | 悲鳴嶼・不死川 |
| 捌ノ型 | 月龍輪尾(げつりゅうりんび) | 横薙ぎ一撃 | 悲鳴嶼・不死川 |
| 玖ノ型 | 降り月・連面(くだりづきれんめん) | 上空からの斬撃降下 | 悲鳴嶼・不死川 |
| 拾ノ型 | 穿面斬・蘿月(せんめんざんらげつ) | 鋸状斬撃 | 悲鳴嶼・不死川 |
| 拾肆ノ型 | 兇変・天満繊月(きょうへんてんまんせんげつ) | 全域覆う斬撃 | 悲鳴嶼・不死川・時透 |
| 拾陸ノ型 | 月虹・片割れ月(げっこうかたわれづき) | 縦方向斬撃 | 悲鳴嶼・不死川 |
壱ノ型:闇月・宵の宮
月の呼吸の基本技となる壱ノ型は、抜刀と同時に繰り出される水平方向の斬撃です。
時透無一郎との初戦で使用され、この一撃により時透無一郎の左手首が切断されました。
シンプルな技でありながら、月の呼吸特有の追撃効果により回避は困難を極めます。
抜刀術の要素も含んでおり、瞬間的な攻撃力に優れた技といえるでしょう。
弐ノ型:珠華ノ弄月
斜め上方向に向けて打ち上げるように放たれる三連続の斬撃が弐ノ型の特徴です。
悲鳴嶼行冥との戦闘において使用され、岩の呼吸との激しい攻防を展開しました。
この技を使用する直前、黒死牟の刀は悲鳴嶼行冥によって破壊されていましたが、瞬時に再生して技を完遂。
悲鳴嶼行冥の顔に傷をつけることに成功しています。
参ノ型:厭忌月・銷り
水平方向に異なる形状の斬撃を二回連続で放つ技が参ノ型です。
不死川実弥に対してとどめの一撃として使用されましたが、悲鳴嶼行冥の介入により阻止されました。
二連撃それぞれが異なる軌道を描くため、相手は複雑な回避行動を強いられます。
連続攻撃でありながら、それぞれに月の刃が付随するという厄介な特性を持っています。
伍ノ型:月魄災禍
刀を振る動作を行わずに斬撃を発生させる特殊な技が伍ノ型です。
つばぜり合いの状態から突然発動され、不死川実弥を驚愕させました。
相手が接近戦を挑んできた際の切り札的な技で、予備動作がないため回避は極めて困難になります。
不死川実弥は咄嗟の判断で回避に成功しましたが、一歩間違えれば致命傷を負っていたでしょう。
陸ノ型:常世孤月・無間
広範囲にわたって無数の斬撃を同時に放つ大技が陸ノ型です。
不死川実弥を標的として使用され、凄まじい数の斬撃により致命傷を負わせることに成功しました。
各斬撃に細かな月の刃が付随しているため、範囲攻撃でありながら密度も高い恐ろしい技です。
回避はほぼ不可能に近く、防御に専念しても完全に防ぎきることは困難とされています。
漆ノ型:厄鏡・月映え
地面を這うように繰り出される広範囲の無数斬撃が漆ノ型の特徴です。
悲鳴嶼行冥と不死川実弥の二人を同時に相手にした際に使用され、回避するのが精一杯の状況に追い込みました。
枝分かれした刀から放たれるこの技は、地上戦において圧倒的な制圧力を発揮します。
足元から迫る斬撃のため、空中への回避も困難な状況を作り出せるのです。
捌ノ型:月龍輪尾
横薙ぎに放たれる一撃が捌ノ型です。
刀身が枝分かれしたことで攻撃範囲がさらに拡大し、不死川実弥の足に負傷を与えました。
シンプルな横斬りでありながら、変形した刀の特性により予想以上の攻撃範囲を持ちます。
相手が間合いを読み違える可能性が高く、確実にダメージを与えられる実用的な技です。
玖ノ型:降り月・連面
下から上へと無数の斬撃を放ち、それらを相手の上空に降らせる立体的な攻撃が玖ノ型です。
不死川実弥の背中に傷を負わせ、その多角的な攻撃性能を証明しました。
上下からの同時攻撃により、相手の回避行動を大幅に制限できます。
空間を支配するような攻撃パターンで、複数の敵を相手にする際にも有効な技といえるでしょう。
拾ノ型:穿面斬・蘿月
鋸のような独特な形状の斬撃を放つのが拾ノ型の特徴です。
不死川実弥を絶体絶命の危機に追い込みましたが、時透無一郎の援護により辛うじて回避されました。
鋸状の斬撃は通常の切断とは異なる破壊力を持ち、防御を困難にします。
この技により不死川実弥の戦闘続行が危ぶまれる状況となりました。
拾肆ノ型:兇変・天満繊月
周囲を完全に覆い尽くすほどの斬撃で、回避が極めて困難な大技が拾肆ノ型です。
悲鳴嶼行冥、不死川実弥、時透無一郎の三人を一網打尽にしようと使用されました。
しかし透き通る世界に入った柱たちに間合いを見切られ、内側への突入を許してしまいます。
範囲は最大級でありながら、至近距離では効果が薄れるという弱点も露呈しました。
拾陸ノ型:月虹・片割れ月
縦方向に放たれる斬撃が拾陸ノ型です。
透き通る世界を発動した黒死牟が悲鳴嶼行冥と不死川実弥に対して使用し、二人を防戦一方に追い込みました。
縦斬りという基本的な攻撃でありながら、透き通る世界との組み合わせにより相手の動きを完全に先読みした精密な技となっています。
防御中心の戦いを強いられた柱たちの苦戦ぶりが印象的でした。
まとめ
黒死牟の月の呼吸は、元鬼狩りの技術と血鬼術が融合した独特な戦闘術で、全11型それぞれが異なる特性と圧倒的な威力を持っています。
不規則な月の刃による追撃効果や、透き通る世界などの特殊能力と組み合わさることで、柱複数人を同時に相手にできる実力を発揮しました。
特殊な刀の再生能力や変形機能も彼の戦闘力を支える重要な要素で、『鬼滅の刃』における最強クラスの敵として読者に強烈な印象を残しています。